大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(う)175号 判決

被告人 羽石槇 外一名

〔抄 録〕

控訴趣意第一について。

公然わいせつ罪は、わいせつ行為を不特定又は多数人の覚知しうる状態、すなち公然たる状態においてなすことによつて成立するものであるから、わいせつ行為自体をなさない者といえども、わいせつ行為をなす者と互いに意思を連絡させて、これを公然になす場合は、本罪の構成要件である公然の状態をつくる点において共同加功が存するが故にわいせつ行為者とともに共同正犯の責任を免れ得ないものと解するのを相当とする。しかして、本件記録及び証拠を精査し、原判決を仔細に検討するときは、原判示第一の事実については、被告人羽石槇は、原審相被告人栗原正五郎と相談の上被告人堀岡富雄及び原審相被告人佐藤広子の承諾を得て、両名をして公然わいせつ行為をさせたものであり、原判示第二の事実については、被告人羽石槇及び同堀岡富雄、原審相被告人栗原正五郎とが互いに意思を連絡させ、原審相被告人佐藤広子と氏名不詳の当三十年位の女性との承諾を得て、両名をして公然わいせつ行為をさせたものであることが明白であるから、本件につき原判示のように被告人らの共同正犯を優に認め得るのであつて、公然わいせつ罪の主体は行為自体をなす者に限るとの所論は独自の見解というべく、もとより採用しがたく、原判決には所論のような事実誤認その他判決に影響を及ぼすべき廉は少しもないので論旨は理由がない。

(工藤 草間 渡辺好)

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